金融工学の計算(1)〜ディスカウントファクター(DF):理論編

今日からは、RubyHaskellでいろいろな計算をやってみたいと思います。
実は本業では、デリバティブなど金融工学の知識が必要なシステムを扱っているので、それに関係する計算(だけど簡単なもの)を、RubyHaskellでどのように計算できるか、練習も兼ねてやってみます。

さて、まずはデリバティブの計算(プライシング)の基本の基本、現在価値(Present Value: PV)の算出からです。ただ、基本と言えども何ステップか踏む必要があります。今日練習するのは、PV算出の一番基本となる、ディスカウントファクター(Discount Factor: DF)の計算からです。

DFとは、将来価値(Future Value: FV)=将来発生するお金(キャッシュフロー)をPVに引きなおすための係数で、PVとFVの変換器、みたいなものです。

金利r とすると、将来もらえるお金は元本と利息で、(1+r)倍となります。
つまり、現在価値と将来価値の関係は、次のようになります。

 PV = (1+r) \times FV

つまり、DFは次のように表せます。

 DF = \frac{PV}{FV} = \frac{1}{(1+r)}

DFは将来のある時点でのお金(キャッシュフロー)を、現在の価値に変換することが出来るので、将来のそれぞれの時点で発生するキャッシュフローについて、DFがわかれば、それぞれ現在価値に変換して複数の利息などのキャッシュフロー(つまりこれがデリバティブの商品になります)を評価することができます。

さて、上の式自体は簡単ですね。次回はこれを、RubyHaskellで計算してみます。

ちなみに、デリバティブの計算のための教科書は、計算部分がわかりやすいこの本を使っています。Excelで計算例が示されているので、割と初心者でもわかりやすい本です。

図解でわかるデリバティブのすべて―実務に使えるEXCELシートCD‐ROM付

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