2008年下期 未踏IT 人材発掘・育成事業の加藤PM・竹田PM合同成果報告会に参加しました(後半)

前回の続きです。

街角ネット世界コミルバの開発(足立博さん・竹田PM)

Webページにアバターを表示する技術のようでした。「コミュニケーションする場」の略でコミルバとのこと。
どこかで聞いたことあるなぁと思っていたら、やはり先行したサービスがあって、それとどうやって差別化をしているかというと、検索して興味がある人をマッチングさせるような仕組みを作っているとのことでした。
システム的な仕組みは、コミルバはWebに対するプロクシとして働いて、コミルバを通して同じサイトにアクセスしている同士をページ上でアバター表示をして結びつけるとのこと。技術的にはIM(インスタントメッセージ)に近いと思います。
サーバをGoogle App Engineとしているところに、「おっ」と思わせるところがありました。そこらへんの詳細は発表されませんでしたが。この発表会では、みなさんあまり実装の詳細には立ち入らないですね。

リバースプロクシーを用いた消費電力自動最適化サーバシステム(生田昇さん・加藤PM)

この発表はクラウドシステムのプロトタイプのように感じました。1台のリバースプロクシによって、ロードバランサのように負荷分散し、負荷が上がったらプールしているサーバを起こし、負荷が下がったらサーバを自動で落とすというものです。
apacheのモジュールとして書かれていて、その詳細はちょっと気になりました。(もちろん詳細には語られませんでしたが。。)
リバースプロクシ自体も落ちるとまずい(シングルポイントクリティカリティ)なので、それが落ちたら代替のサーバが成り代わる、という仕組みのようです。これを逆ヘルスチェックの仕組みと言ってました。

頭部/視線方向を用いた音声メモの配置/ブラウジングによるウェアラブル思考空間支援(米澤朋子さん、山添大丈さん、寺澤洋子さん・竹田PM)

今回一番プレゼンにも、プロジェクトにも感銘を受けたのがこれです。簡単に言えば、iPhoneを使って空間に音声付箋(メモ)を貼り付けることができるアプリ、ですが、音声認識の専門家だなぁというのが端々に感じられました。
音声付箋ですが、自分が向いている方向に貼り付けることができて、実際に再生するときはその方向から聞こえるように3D音響という技術を使っています。知らなかったのですがこれを実現するためにOpenALというOpenGLのようなモジュールがあるようです。
最新のiPhone 3GSに搭載されている地磁気センサで頭の方向を取得していたり、音声アイコンというものを独自に考案して付箋が張ってあることを認識できたりします。
付箋をはがすときは「Fu」という音で吹き飛ばすイメージにしたかったらしいですが、「Fu」は音声スペクトラムが弱いらしく、「Su」というように吹き飛ばすようになったとのこと。
また、今後の展開としても海外の教授から引き合いが来ていたりと、商用、アカデミック両方で展開が見込めそうなようです。
あと、プレゼンの途中に今までの苦労の日々をつづったスナップ(音つき)などがあってとても面白かったです。(なんか結婚式のビデオみたいとも思いましたが。笑)
現在このアプリはAppleの審査中らしいですが、いろいろ普通の人が使わない機能を使っているらしく、若干難航中とのこと。早く公開されたら使ってみたいです。
私も質問してみたのですが、付箋を貼り付けられるのが水平方向だけで、上下を使わなかった理由を聞いたら、人間は上下からの音を識別するのが苦手だから、とのこと。なるほどと思いました。ただ、上下は座標としては取っているとのこと。

このあと、懇親会でも昔の未踏スーパークリエータの方たちなどから面白いお話を聞いて、やる気を出して帰ってきました。