2008年下期 未踏IT 人材発掘・育成事業の加藤PM・竹田PM合同成果報告会に参加しました(前半)

久しぶりのエントリーになります。この2ヶ月間いろいろなことがあったのですが、それはおいおい書いていくことにします。
それで突然未踏の発表会に参加なのですが、その理由はまた別のエントリーで・・

今回の未踏成果発表会は加藤PMと竹田PMというお二人のPMによる合同成果報告会です。計6人の方がそれぞれの成果発表を行われました。

ウェブ閲覧による消費電力を測定するためのソリューションの提案(時田正彦さん・加藤PM)

加藤PMの研究テーマがグリーンITなので、そのテーマに沿ったプロジェクトです。グリーンITというテーマだとサーバ側の電力削減が多いのですが、このプロジェクトはクライアント側にプラグインを入れて、サイトごとに消費電力を測れる、というもののようです。
やはり動画系のサイトは電力をよく消費するようで、ニコ動はかなり消費するようです。。
サイトを作成する企業側に、結果をフィードバックしてコンサルティングなどができるんじゃないか、とのことでした。

機械学習システムを用いたWeb 空間からの知識発見(渡部浩昭さん・竹田PM)

Webの情報を元に、それを拡張する仮説空間を作ってそこから知識を得よう、というプロジェクトで、個人的にはとても面白い概念だと思いました。Prologを用いて、既存の自然言語処理モジュールを利用しているとのことで、Prologを使えば簡単にそういうことができるのかと思ったんですが、Prolog触ったことない。。
どうやって処理しているかというのは、結局知識がついていかずあまりわからなかったのですが、Web上にある既存の情報(中国は政策オプションがある)から、抽象化や特化を行って条件を作成し、概念辞書や他のWeb上の情報から仮説を生成する、というエンジンのようです。やっぱりよくわからなかったのですが、なんらかの意味のある知識(仮説)が生成できるとすれば、とても興味深いですね。

グリーンOS onix OS の開発(大山裕泰さん・加藤PM)

OSの開発、というタイトルのプロジェクトでどんな大作、と思ったんですがそこまで大きなプロジェクトではなく(他に独自OS開発もやられているようですが)GNU/Linuxカーネルを拡張してハードディスクの電力消費量を削減するものでした。
HDDの電力消費は大きいので、カーネルレベルでバーチャルデバイスドライバ層を設け、ディスクのキャッシュをSSDに持たせてできるだけディスクを回さないようにするということで、電力を節約するということですね。
カーネルの中身がよくわかっていないので実装レベルではよくわからなかったのですが、検証結果で50%も電力削減できていたのにはびっくりしました。ただその代わりパフォーマンスが少し劣化してしまって、それが課題のようですが。
でも、これを大学4年生のクリエータがやり遂げた、というのにさらにびっくりです。実際、大規模な電力削減をしたい大手SIerなどと組んでビジネスにすれば、すぐに割りと大きなビジネスになりそうだと感じました。

ちょっと長くなってきたので、後半に続きます。